エピローグ

これまで、僕がいかにここHampiが気に入って、すばらしいところだと感じているかを書いてきたが、こればっかりはあくまでも僕の主観である。 もしかしたら日本と比較してのあまりの不衛生さに耐えられないかもしれない。カーストもある。僕は詳しく知らないのでそれについてあまり述べることはできないが、それを一番感じたのは、悲しいことに子供たちの間であった。 そして、インドでは誰もが外国人から(特に日本人から)だましてでもより多くの金を得ようとする。それはHampiでも同じことだ。道を歩けば、土産物屋からは必ず声がかかるし、冷やかしのつもりで話を聞こうものなら、そのとき買わなくて も顔を合わせるたびしつこく売りつけようとする。物乞いもうんざりするほど多い。でもここになじんでいくにしたがって、それにたいした感情を抱かなくなる。ぼくはそれが当たり前 と感じるようになった。

最初は一人海外でクライミングを中心にした生活していくことによって、自分自身を 見つめ成長させたいと思っていた。それがいろんな国を旅してまわることによって、いろんな価値観を目にする機会を得た。最初は内面に向かう旅が外にも向かい広がったのだ。そして それは無限の広がりを見せる。これからどんな形の旅をしていくか分からないけれど、僕のたびは一生終わらないだろうと思う。

Hampiにはできるだけ長くいたかったので、夜のフライトに間に合うように 朝Hampiを出た。世話になったみんなに別れを告げる。残ったお金で、というと失礼かもしれないが、少しばかりの援助のつもりでマヌーの奥さん、シャクーの作った服を何点か買い 込む。みんながまた来いよと言ってくれる。

思えば、マヌーに声をかけられてこのゲストハウスに泊まることになったのが、 楽しいHampiでの生活の始まりだった。出発前に思い描いていたイメージ、不安、期待、それがどう変わるか。それがもっとも大きな旅の楽しみの一つである。そして、僕の場合は外 部に左右されない、自分のクライミングに向き合うことのできる時間を過ごすことができるのが、もうひとつの大きな楽しみである。この二つがある限り、僕はどこに行ってもいい 旅ができると確信している。

 さて、次はいつHampiに帰ってこようかな・・・。

  完

 

 

 

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