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HAMPI−滞在編その2
 さて、前にも述べたが、僕の部屋の前はちょっとした広場になっていて、 子供たちの遊び場にもなっていた。登る以外これといってすることがないときは、大体部屋の前に寝転がって本を読んだりしているのだが、そうすると最初は警戒していた子供たちも、 そのうちにちょっかいを出してくるようになる。そうしているうちにたくさんの子供たちと友達になった。そう、ストマジで子供たちと遊んでいるのと何ら変わらないのである。 しかし、誤解のないように、決してストマジでは暇でブラブラしているからではないのである。きっと穢れのない純粋な心を持っているので、 子供と対等に友達になれてしまうのに違いない。おっと、話がそれた。

 

 

 

 

インドの子供たちは驚くほど目がきれいで、 無邪気に明るい。そして、めちゃめちゃかわいい。自然の中で遊ぶ姿や、自転車の三角乗りを見ていると、まるで自分の子供のころに帰ったような気になってついつい一緒に 遊んでしまうのだ。女の子はかわいらしいだけでなく、どこか色っぽくもある(誤解の無いように)。10代で嫁に行って、子供を生むのが当然のようで、きっと子供から女に あっという間に変わってしまうのだろう。インドの女性はとても美しいが、結婚して子供を産むと一様に割腹がよくなってしまう。インドでは太っている人のほうが美しく、 男は必ず口髭をたくわえている。この美しさかっこよさに対する感覚の違いも面白い。

特に仲良くなったのが、このゲストハウスの客引きをしていた親父、マヌーの子供、プティとラ ウルである。母、シャクーは隣の隣で洋裁屋をしている。マヌーはレンタサイクルや、チケットの手配などをしていて、やはり看板を同じところに出しているので、暇なときは だいたい僕の部屋の前で昼寝をしたりしている。そうするとやっぱりこの姉弟も学校が終わるとだいたい部屋の前にやってくる。彼らはちょうど英単語を習い始めたばかりなの で、言葉はあまり伝わらないのだが、今思うと不思議なんだけど、いろんなことを伝え合うことができた。そして、一緒に英語の勉強をしたり、素朴なゲームをしたり、うたを 歌ったり、昼寝をしたりして過ごすのが午後の日課となった。

2週間ほどそんなふうに過ごし、すっかり村の生活になじんできたころの3月21日に、ホーリー以来 のお祭りがあった。これはどんな祭りかというと、日本のお正月のようなもので、みんな一斉に新しい一張羅の洋服を着るのだそうだ。このときは外に出ている家族も帰省して ご馳走を食べ、3日ぐらいにわたってそれぞれの神様にお参りに行くのだ。 その日はHampi中がきらきらして華やかだった。ホーリーと違って大騒ぎする祭りではないが、なんだかこういうのもうきうきして楽しい。オーナーのムルスンジャヤが、家で の昼ごはんに招待してくれた。マヌーとプティ、ラウルの親子とポンパと一緒に出かける。食べきれないほどのご馳走。地べたにバナナの皮を敷き、そこにお祝いのスペシャル メニューがどんどんよそわれてくる。インドでは客人が満足するまでお代わりを出すのだという。久々にもうこれ以上は無理というくらいまで腹一杯になる。夕飯はマヌーが家 に食べにこいという。なんだかご馳走になってばかりだが、断る理由もなくありがたくよばれる。マヌーが酒を仕入れてきてくれたので、インドに来て始めての宴会だ。といっ ても合成の焼酎のようなものが50mlほどビニールパックに入っているだけである。ラウル、プティとはずっと一緒で、すっかり親友になってしまった。 マヌーの家は大体6畳一間。そこに一家4人が暮らしている。家賃は月150ルピー。僕の借りた部屋の1日分の家賃である。シャワーもトイレも水道もない。それでもマヌーの家の カーストは決して低いほうではない。仕事がないと、ぐうたらしてすっかりダメ親父になってしまうマヌーだが(すっかり怠惰な生活をしているわれわれツーリストから見ても 、Hampiいちダメダメな奴だといわれていた)、金銭的には別世界にいる僕のことはどう感じているのだろうか。もちろんツーリストからお金を得て生活をしている彼らだから、 もちろん僕も彼らにとっては、生計を立てるだけの存在なのだろうが、本当に友達になってしまうとお金なんてどうでもいいような態度にもなっている。

ここHampiが特別なところなのかどうか分からないし、これがインドの本当の姿なのかも知れないが、ツーリストタウンの割にはぜんぜん擦れていなくて、人々の純粋さ を感じた。こういうところを僕はこのHampiでものすごく好きになってしまったのだ。もちろん登りたい課題もいっぱいあるし、会いたい人もたくさんできたし、これはもう絶対 近いうちに再訪するだろうなと思うところなのだ。

 

 

 

 

 

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