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印度日記 2006その4 | |||
![]() ハンピライフ それは自分の時間をいかようにも使える。 そして、本質的には素朴で気のいい人々との生活。 前の話ではクライミングについて書いた。それがここにきた第一の目的であることには変わりないんだけど、実際登っている時間なんてすごく短い。それじゃあ登らない時はなにをしていたのか、というと、何をしていたんだろう。暇すぎて困ることもなかったし…というわけで、思い出しながら今度はそんな話を書いてみよう。 |
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![]() まずはHAMPIの町について。HAMPIは世界遺産に登録もされている古都だが、化石のような町で、現在は観光で細々と人々は暮らしている。観光のシーズンは約半年で、その間に人々は一年分を稼がなければならない。町の中心となるメインバザールは大体100mくらい。そこにレストランや日用品を売っているキオスクや土産物屋なんかが店を連ねている。川とバザールの間をつなぐ道にも結構店がある。それでもとってもちっぽけな町なので、2時間もあれば隅から隅まで見て回ることができてしまうくらいなのだが、レストも日はもとより登っている日も毎日のように、必要な日用品を買いに出たり、服を物色したりした。 ![]() そして、履物。ここでは靴を履いてる奴なんてめったにいない。どっぷり浸かってくると裸足で歩き出すのだけど、その前にサンダルが欲しくなる。これ一つで岩場のアプローチもこなすのだ。前は露店で作っているおっちゃんのところでしつらえてもらったが、底の減りが早いのと、皮がずるずるに伸びてしまうので、今回はメインバザールのちょっと高級な店で買うことにした。値切って値切って、やっと280ルピーのところを250ルピーにしてもらう。皮が二重なので丈夫で伸びにくく、前のときよりも長持ちしてるけど、ヒロに値段を聞かれたので、教えたら「信じられない、俺だったらホスペットでもっと安くて丈夫なビニールのサンダルを買ってくるね」って言われてしまった。 |
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ここでは、水や食料など日常で必要なもの以外はとんでもない金額をふっかけてくる。そこで欲しいものがあれば、値段の交渉になるのだが、みやげ物になりそうな衣類やバック、アクセサリーや小さな置物などは、向こうの言い値の半分くらいから交渉する。それで決まるときもあるし、真ん中くらいで折り合いがつくこともある。それでもヒロなどに値段を聞くと「5分の1以下ぐらいの価値のものだよ」なんて言われる。確かに日常品もインド人プライスとツーリストプライスがあって、大体5倍ぐらいの開きがある。朝飲む屋台のチャイなんてインド人は2ルピーでツーリストは10ルピーだ。いつも主人のムンタパと一緒に行ってチャイを奢ってもらうので、インディアンプライスでしか飲んだことはないけれど。 しかし、本気で騙そうとする人間は、HAMPIの人々の中にはほとんどいないんじゃないかな。いくらツーリストプライスが高いと言っても、とんでもなくボラれているとは思えない。それでも我々の価値観からは充分安いし、ツーリストプライスにもそれなりの相場がある。ただそのお金がここの人々の生活や価値観を大きく変化させていることは、果たして良いことなのだろうかと考えてしまう。確実に村は発展しているし、電化製品もあふれ出した。2年前にはなかった携帯電話やDVDプレーヤーが目に付くようになったことは本当に驚きだった。インド自体の発展も凄まじく、HAMPIの人々もより多くの利益を上げ、生活の発展を望むのは当然だ。でもその一方で、これはインド全体に言えることなんだけど、内に在るカーストはそのままで、生活の格差はさらに広がっている。願わくば、HAMPIの人々みんなが、その発展で幸せになれるような発展をしてほしいのだけど、それは通り過ぎるだけの旅行者の虫のいい言い分だろうな。で、そんな外野の人間たちが彼らの生活に大きな影響力を持っていて、素朴で自然なHAMPIの人々を変化させてしまうかもしれないと言うのに、その変化に対する責任を持てずに、むしろ悪いほうに変わってしまうならば、自分の気持ちがここから離れてしまうだろうと思えることに大きな矛盾を感じる。 |
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![]() ![]() さあ、そうしてレストの日まで体を動かしてしまうのは、うまい飯がまっているからでもある。次は食事について書こう。 |
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