小山田大 ヨーロッパツアー 2002 初夏編 の 蛇足

ここでは、小山田大さんにまつわるコボレ話や、ツアーにまつわる話を付け加えていきたいと思います。
たまに横道にそれて、どうでもいい話や密告ネタも入りますので、お暇な時に雑学程度に読み流してくださいませ。


編み込み毛糸。
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パステル調
最終更新日 02/07/01
6/18 勝手に蛇足 by Stone Magic
>ツアー最大の山場!
今回のヨーロッパ遠征でフランケンユーラ(ドイツ)へと向かった目的の一つに、故ギュリッヒの偉業「アクシオンディレクト(5.14d/9a)」への挑戦が上げられる。

>世界初の5.14d誕生の陰に
1991年9月14日、ギュリッヒによって9a(5.14d)時代が幕を開ける。
その後9aの基準となったアクシオンディレクトが再登されるまでに4年の月日が流れた。
しかし、このハードルートを登るために、開拓者のギュリッヒ本人、実に
2年の歳月をそのトレーニングに費やしている。
医学書としても興味深い彼の
名著「フリー・クライミング上達法」(山と溪谷社)にも解説されるクライミング・タクティクスに基づき、恐ろしく緻密な肉体改造を行っていく。
話によると、このルートのレプリカまでとって、研究を重ねたらしい。

>キャンパスボードの恩恵
中でも有名なのが、キャンパシングである。
何を隠そうギュリッヒこそが、
キャンパスボード発案者
アクシオンディレクトでは、
極限の指力を要求される。
彼は、生理学的データに基づいたトレーニングを行い、その指力を驚異的に引き上げた。
そしてついにその偉業の達成に至るのである。

>クリスもユージもみんな散った・・・
長さにして12m程だが、出だしから激しいランジ、その後も浅いポケットでのダイナミックなムーブが続く。
これまでにAlexander Adler('95)、Iker Pou('00)、Dave Graham('01)の3名が再登。
世界に25本程度しかない9a以上のルートの中では最も再登者が多いといえる。
しかし10年で3名である。
このあまりに有名なハードルートに挑み弾き返されていったクライマーの数からすれば、再登率は最も低いのではないだろうか。
当時ギュリッヒと競うように最難ルートを開拓していたベン・ムーンも敗退し、
平山ユージもアクシオンディレクトの前に一手も繰り出せなかったという。
昨年7月、
Realization(5.15a/9a+ フランスCeuse)を完成させたクリス・シャルマ(*1)ですら、退けられている。

>無類のポケット好き

もともとポケット好きの大ちゃんだったが(それも一本指!)、渡欧前には、DAIHOLD(大ちゃんが主宰するホールド製造・販売事業)の工房で様々な形状のポケットホールドを製作し、オリジナルポケット懸垂ボードでも練習をしていたらしい。

この春、城ヶ崎チーサイドでのプロジェクトトライ中に指を痛めていたにも関わらず、4月には
鳳来ハイカラ岩でメタフォース(5.14c)を完成している。恐るべし!小山田大。
因みにメタフォースとは変貌を遂げるとか変態とかいったことを意味する言葉らしいが、本人曰く、自分が開拓したルートの中で最も美しいラインとのこと。
松島君(*2)がリピートしたいと言ってくれたと嬉しそうに語るところをみると、再登されることは大きな喜びだということがわかる。
まるで他のクライマー達への挑戦状とも受け取れるハードルートの開拓も、他人にトライされてこそ意味がある。
他のクライマーがリピートすることは、開拓者の引いたラインの魅力を証明するからだ。
そして、自身のプロジェクトをメタフォースと名付けた彼の中では何かが変化しているに違いない。
こうした歴史的なルートを彼がどう味わうのか。報告が待ち遠しい。
*1:クリス・シャルマとRealization(5.15a/9a+)
3年越しのプロジェクト完成であったが、ワールドカップの合間にこの5.15aを登ってしまったというのは何とも凄い。
(5.15aといったら、世界でも登れるクライマーはほんの2・3人。つまりこのレベルのルート自体も世界にほんの2・3本しかない。しかも、クリスの場合、これまで5.14dを落とした記録がないから飛び級ということになる)
しかし、その直後のミュンヘン大会ではマリファナが検出され優勝剥奪。
薬物で恐怖を麻痺させているのかどうかは定かではないが、筋力やパワーへの薬物のダメージは少ないのだろうか。
クライマーはクライミング時には概して食欲が減るらしいが、一方でマリファナはしばしば食欲を増進させる。それでバランスを保っているのだろうか。
大ちゃんを見ていても甘そうなお菓子を美味しそうにチョコチョコ摘む程度で、女性並みの食欲。
一日2食しか食べないと聞いた気がするが、朝からインスタント麺を食べたりするし、食にこだわりがあるようには見えない。
ハードルートを落とす彼らの体には多い。


*2:松島暁人
ジャパンツアー2002開幕戦を優勝で飾った今伸び盛りの若手クライマーの一人。20歳。6月末からは岡野寛らと共にワールドカップへ参戦すると聞いている。今後の成長が楽しみだ。

6/19 勝手に蛇足 by Stone Magic
>なぜベロが!?
専属カメラマン世良田さんのファインダー越しに、一生懸命頑張る大ちゃんが写る。
顔を真っ赤にし、歯を食いしばっている。そりゃそうだ。
他には平山さんしか可能性のないようなハードルートをこなしているのだ。力が入るのも当然のこと。
と思いきや、それと同じくらい目にとまるのが、ベロ出し大ちゃんである。
不二家のペコちゃんさながらに、口角から舌がはみ出している。
幸か不幸か私などは、それを見るとちょっと笑ってしまう。
それだけリラックスしているということなのか、登ることがあまりに楽しい所以なのか。
案外後者だったりして、と本気で思わせるところが大ちゃんにはある。
>ナイン違いの衝撃
大ちゃんの登りは、時に壁面上でスキップでもしているかのように、軽やかに舞っている印象を受ける。
余裕がある時ほど顕著だ。
今や、9a(5.14d)を登り、最低でも5.11でアップをする彼が、それ以下のグレードを登ること等誰に想像できようか。
5.13前半なら、若葉マークビレイヤーのビレイでだってオンサイトできるのだ!(驚きの理由は下記参照)
そんな大ちゃんが登り終わったルートを「あっ、ここ面白いよ」と薦められたところで、尻込みしてしまう人が大半だろう。
ところが、驚くなかれ。
彼は5.9の初心者ルートだって楽しめる感性を持ち合わせているのである。それが本当に良いルートであれば。
だから、オフの日に、優しいグレード(といってもほとんどの愛好家には、はるかに遠いグレードなのだろうけど)のクライミングをすることが気分転換になったりするらしい。
本当に登ることが好きで好きで仕方がない様子が伝わってくる。
>アップルートの秘密
誰も登れないハードルートを開拓する大ちゃんの場合、岩場自体も手付かずの所であることもままある。
そんな時、これから登ろうとするプロジェクト(開拓中のルートのこと。岩にラインを描いてから、実際に完登して名前をつけるまでの間はこう呼ばれる)は元より、ウォーミングアップ用に登るルートもその近くに設定する必要がある。特にストレッチをしない大ちゃんの場合、アップ用ルートは重要だ(ストレッチをしても大切か、普通は・・・。私なんか外行くと、アップ用のグレードが見当たらなくて、いつも一本目から本気ルートよ)。
大ちゃんのプロジェクト中、大ちゃん関係者は、この大ちゃん特製アップルートを満喫できるのだ。何とも羨ましい。
>タメになる大ちゃん課題
しかも、関係者曰く、「例えば大ちゃんのルートって、テン代(5.10)クライマーだったらおよそ使わないような筋肉を使わせてくれるルートなの。」
確かにそうだ。私も大ちゃんが作ったボルダー課題に取り組んでいると不思議な感覚に襲われる。
頻繁にクライミングができない人が効率良くレベルアップするのにも驚くほど効果を発揮する。
(キワモノの課題以外にも子供用の課題からあるので、探してみてほしい)
3月末にストマジで開催したザノースフェースカップで気付いたのは、
上手なクライマーになると、初心者のグレードの感覚が失われて、ルートセットをしていてもグレーディングがあやふやだったりすることがよくあるのだが、
平山さんも大ちゃんもグレーディング感覚が非常にしっかりしているということ。絶対登感でもあるのかなぁ。
>ビレイヤ−選びも自己責任
コンペなどを見ると非常にわかりやすいが、クライマーが限界グレードに挑戦している時ほどビレイヤーの責務は大変重要になる。
ちょっとロープを繰り出すのが遅かった為にクライマーが滑落することもある。
滑落に上手に対応できないと、思わぬ大怪我に結びつくこともある。
だから、ビレイヤーも本当に細やかな神経が必要になる。
また、自己の能力不足による失敗をビレイヤーの責任に転嫁するクライマーも見かける。
従って、真の信頼関係と阿吽の呼吸のできないパートナーとはクライミングはできず、裏を返せば、それのできるパートナーとのみ最高のクライミングが味わえるのである。
だから、コンペ等でも、たまに、ビレイヤ−の指名替えが目撃される。というか、ビレイヤーもそれを察知して自発的に交代している。
つまり、私が知る限りにおいては少なくとも、5.13前半は、彼にとって何のためらいもなく登れてしまう、そんなレベルなのだ。
(前に、ストマジのツインモンスターで、リハビリ中の平山さんのビレイをしたことがあったけど、やっぱり緊張した〜。
5.12なんて片手が不自由でも登れちゃうからビレイヤーなんて誰でも良かったのだろうけど、こっちは生きた心地がしなかった・・・お陰で私のビレイ歴は一気に箔がついたけど)
7/1 勝手に蛇足 by Stone Magic
>鳳来でハイキング
見るだけでも価値があるという友人の言を鵜呑みにした私は、ある日、物見遊山で鳳来(愛知)へと出向いたのでありました。
トポも見ずに。
幸い現地には親切な友人が待ち構えていてくれたので良かったのですが、無知とは恐いものです。
何故なら、鳳来は、備中(岡山)同様、無尽蔵に未開拓の岩山が転がっており、開拓されている分だけでも10以上のゲレンデが点在しているのです(探すだけでも一苦労。迷子確実!?)。
しかも、一つ一つのゲレンデ自体、とにかく大きい!
そして、それぞれに趣きの違う顔を持っているのです。
その上、備中同様、上級志向。初心者だと遊べる場所がかなり限定されてしまいます・・・
けれどアーチ状の岩としては世界一のスケールを誇る乳岩(ちいわ)を始め(登攀禁止です)、ハイキングをするにも楽しかったです。(裏を返すと、アプローチが辛いと嫌がるクライマーが少なくない事実も納得)
けれど、過去にクライマーが引き起こした様々な問題から、利用には多くの約束事を遵守する必要があります。
駐車スペース等にも厳重な決まりがありますので、行かれる方は、事前に、ネット上で情報収集してからにして下さい。
ご協力お願い致します。
>ハイカラ岩の秘密
ハイキングついでにハイカラ岩も見学。
あまりのどっかぶりに私など気分が悪くなってしまいましたが、なるほど、これが世界の実力かと納得するには丁度良かったです(平山さんや大ちゃんも普段はオーラ消してますからねぇ。ストマジで登っているのを見ても、あー難しそうとは思いますが、それがどれ程難しいのか、素人目にはさっぱり。しかも、普段自分が遊んでいる同じ壁で登っているのを見ると、畏敬の念よりも親しみの方が先行しがちですし(そんなこと言ったら「もったいないお化け」が出てしまいそうですが))。
クライミングショーに挑戦する若者がいたので話し掛けると、驚くべき情報が!
なんと大ちゃんルートのポケットの中にはパンダのぬいぐるみが埋め込まれているとのこと。
確かに、ハイカラ岩に置かれた大ちゃん直筆トポには、頂上でジャンプするパンダの絵が描かれていたけど・・・
けど、その真実を確かめるには・・・・・・うーん、私は一生無理だわ。
>お絵描き上手?
マネージャーの佐々木さん曰く、大ちゃんは絵が上手いらしい。
佐々木さんは、元絵の先生。専属カメラマンの世良田さんはそのお弟子さん。
そんな彼等が何ヶ月にも渡るツアーに出掛ければ、夜な夜なお絵描き大会が始まっても何ら不思議はない。
そして、大ちゃんは、その佐々木さんが認める芸術家なのだ。
とはいえ、トレードマーク化したパンダは良いけど(ザノースフェースカップの時はキッズ向けに平山さんもマネしてましたっけ、大ちゃんの動物キャラ)、新規開発に描いていたレッサーパンダを見る限り、疑問符がつきそう・・・
どう見てもクマ五郎にしか見えなかった、私には。
>ダイエットで肉体改造
数週間前、たまたまつけたテレビに平山さんのアップが映りびっくり。ひどく痩せて見えたからだ。
Hさんに話すと、思わぬ事実が知らされた。
昨年来、故障続きの平山さんは、6/20からのアメリカツアーに向け、ダイエットを敢行したというのだ。
それも、一週間で7キロもの減量に成功したというから驚きだ。
K氏の目撃情報によると、減量により筋肉が浮き立ち、登りにも今まで以上の精彩が戻ったとのこと。
しかし、あの無駄のない肉体から何が7キロも減ったのだろう。
大物ってすごい。
註:今回の減量は専門家の指導の元に行っております